第9回目を数える今回の公演は、これまでで最も新しい時代のマドリガーレ企画です。
バルバラ・ストロッツィ(Barbara Strozzi 1619 - 1677)は、ヴェネツィア生まれ、父親は台本作家のジュリオ・ストロッツィ(養父であり恐らく隠し子、洗礼時は父親不明となっている)で、その父の元で幼い頃から教育を施され、カヴァッリに師事しました。
父ジュリオの主催するアッカデーミアで自作の曲と歌声を披露した、優れた歌手であった事もわかっているほか、当時でも珍しい第一線で活躍する女性作曲家でもあり、その作品は初期バロックの声楽曲の中でも、特にソロ曲などは人気が高いです。
そのバルバラ・ストロッツィの、25歳の頃、初の出版楽譜が、今回演奏する「2, 3, 4声と5声のマドリガーレ集第1巻(1644)となります。
偶然にも、第7回公演のフレスコバルディ1巻、第8回公演のモンテヴェルディ3巻も、共に作曲家が25歳の時の出版作品です。そして1644年と言うことは、モンテヴェルディが亡くなった翌年の出版でもあり、また、マドリガーレ、と言う音楽そのものの最終末期とも言える時代のマドリガーレとなります。
今回は通奏低音奏者に、チェンバロ奏者として辻文栄さんを、またヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として折原麻美さんをお呼びして、充実した通奏低音をお聞きいただけるのも魅力です。
また今回は、ストロッツィの解説をシチリア在住の音楽学者、佐々木なおみさんにお願いしております。こちらも楽しみです。
女性的で美しい旋律や、エキセントリックで情熱的な旋律のソロ曲で今も私たちを魅了するバルバラ・ストロッツィの、多声部の通奏低音付きマドリガーレ。
第9回公演〜バルバラ・ストロッツィのマドリガーレ〜【9/30(火)】会場:豊洲シビックセンター ホール
2023年9月30日(火) 19:00開演(18:30開場)