私たちDolceAmaroの結成当初から、いつかやろうと思っていた、モンテヴェルディの作品のみの企画を、第8回目にしてようやく実現することになりました。
第8回目の公演は、モンテヴェルディのマドリガーレ集第3巻を取り上げます。
1592年、ちょうどマントヴァ公ヴィンチェンツォ1世に雇われた頃に、その公爵自身に献呈し出版した、マドリガーレ集第3巻。
この巻では、マントヴァで長年楽長を務めていた大先輩、ジャケス・デ・ヴェルトの影響がそこかしこに見え、また当時イタリア半島のみならず全ヨーロッパにその名を轟かせたConcerto delle Dame di Ferraraを想起させる、女性3声を上声部に起用した5声マドリガーレなどが収められています。
使われた詩は大半がグァリーニ(Giovanni Battista Guarini)のものですが、ベンボ(Pietro Bembo)の詩が1曲、チェリアーノ(Livio Celiano = Angelo Grillo)の詩が1曲、そしてタッソ(Torquato Tasso)の『解放されたエルサレム(Gerusalemme liberata)』から2曲が収められており、そのどれもが異彩を放っています。
モンテヴェルディのマドリガーレと言えば、どうしてもArtusiとの論争からの「第2の作法」を用いたマドリガーレや、その後の通奏低音入りの様々なマドリガーレに注目が集まるが、この第3巻はそれ以前に数々の音楽家により綿々と紡がれてきた対位法の粋、モンテヴェルディによる改革前夜、それまでの25年間の頂点と言える作品群と言えるかと思います。
DolceAmaroの初のオール・モンテヴェルディ企画。お聴き逃しなく!
DolceAmaro
【埼玉公演】第8回公演 モンテヴェルディ・マドリガーレ集第3巻 会場:松明堂音楽ホール
2025年2月11日(火曜・祝日)